中学受験の復習|トレーで「できない問題」を効率的に定着させる方法

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中学受験において最も大切なのは「できる問題を増やすこと」です。

しかし一度解けるまで練習した問題でも、数日後には忘れてしまい、模試や入試本番で解けないケースが多々あります。

お子さまが「理解したつもり」になっても、実際には定着していないことが多いのです。

よしみ

必要なのは、繰り返し学習だよ

中学受験のの算数は特に分量が多く、解いただけで満足してしまうと知識が抜け落ちます。

繰り返し同じ問題に取り組むことで「できない問題をできるようにする」ことが可能になるのです。

しかし、親がすべての復習を管理するのは大きな負担に。

そこで登場するのが、オリジナルのレタートレー学習です。

お子さまが自然に解き直しの順番を把握でき、親の管理もシンプルにできるため、効率的に繰り返し学習を実現できます。

この記事を書いた人

よしみ

塾に頼らず家庭学習で、子どもを難関中学や東大へ導いた子育てママ。

夫婦ともに高卒で勉強が得意ではなかったけれど、工夫とサポートで一緒に成績を伸ばしてきました。

目次

なぜ、繰り返し学習が効果的なのか

エビングハウスの忘却曲線と学習定着の関係

心理学者エビングハウスが発表した「忘却曲線」では、学んだことの半分以上を1日以内に忘れてしまうと示されています。

しかし、忘れる前に繰り返し復習することで記憶は強化され、長期的に保持されやすくなるのです。

忘却曲線に沿った復習リズムを作ることが成績アップの近道となります。

初めは何度やっても忘れやすいのですが、繰り返すと覚えている期間が長くなっていくので、半年くらいの長期記憶になるまで繰り返してください。

エビングハウスの忘却曲線

レタートレー学習法とは?

トレー学習とは、文字通りレタートレーを使って一日分の学習をを管理する方法です。

中学受験の1日の学習は、複数の教科を解きなおして、それをさらにできるまで繰り返す。

これはお子さまにとっても、親にとっても管理するのは簡単ではありません。

3段重ねたレタートレーを使うことで、次にやるべき問題がスッキリと整理でき、残りの学習量も見えるので親子で楽になります。

  • 今日これからやるべき問題を置く段→お子さまが解く
  • お子さまが解いた問題を置く段→親がまる付け
  • やり直す問題を置く段→お子さまが解きなおす

このように3段のトレーに目的を分けて置くので、学習がはかどるのです。

親が管理しやすい理由

トレー学習が優れているのは、お子さまが解いた問題を見て確かめられるので、進捗が分かりやすく、まる付けがしやすいのです。

「まだ解いていない問題」や「解きなおしが必要な問題」も一目で分かります。

お子さまもテキストで問題を探さず、すぐプリント学習に入れるため、親から声かけのストレスも減る。

無理なく続けられ、効果が高いので、家庭学習の新しい習慣として取り入れてほしいのです。

お子さまのやる気を保ちやすい仕組み

中学受験の家庭学習で一番の課題は「お子さまのモチベーション」です。

中学受験の親

いま、何やってんの?

中学受験のこども

うるさいな~

親が口うるさく言うほど、お子さまはやる気をなくしてしまいます。

トレー学習はこの点でも効果的。

プリントをトレーに置くだけで「次にやること」が一目で分かり、お子さまが自分で学習を選びやすくなります。

また、解き終わり、直し終わったプリントをトレーから除外するのでと、達成感が目に見えて感じられるのも大きなポイントです。

「今日は、こんなにたくさんの問題をやった!」という実感が、明日へのやる気につながります。

小さな成功体験を積み重ねることで学習の自立が進み、親の声かけに頼らず勉強を続けられるお子さまに育つ。

精神的な負担を減らしながら学力を底上げできるのです。

親が準備する「トレー学習」7ステップ

トレー学習を実践するには、親が準備を整える必要がありますが、慣れてしまえば簡単。

①A4サイズのレタートレーを3枚準備する(段の間を開けたいので、ジョインターも)

  • タテ向きとヨコ向きがあるので、ご家庭のスペースによって選びます。
  • 100円ショップ商品なら、Seriaのレターラックが良い。ジョインターの接続がしっかりしているし、ジョインターも付属しています
  • ジョインターを使用して3段のレターラックを組み立てます
  • 急いでる方、お金持ちの方は、Amazonのレタートレーをどうぞ
中学受験レタートレーの組み立て方

②【学習のスタート】中央のトレーに一日分の解答用紙を置いて解き始める

ここにある問題を最優先で解いていきます

中学受験のレタートレー学習優先度

③【問き終わったら】解答用紙を一番上のトレーに置いていく

  • 親の目に見やすく、終わった枚数が分かりやすい
  • 少し枚数が増えたら、親が1枚ずつとって都度のまる付けをしやすい
中学受験のレタートレー学習

④親がまる付けをして、できなかった問題を一番下のトレーに戻す

  • できた問題は好きなように処分します
  • 間違えた問題やできなかった問題は、その日のうちにやり直す必要があるので下のトレーに戻します
  • できなかった問題は、もう少しで解けそうならヒントを書いてあげましょう
まる付けしたら下に置く

⑤中央の問題を解き終わったら、下のトレーに戻された問題に取り組む

  • 中央のトレーは、その日の新しい問題なので最優先で解き、次に下のトレーに戻された問題のお直しに仕掛かります
  • 問題を解き終わったら、同じように一番上のトレーに置きます
解きなおしたら上に置く

⑥ ③→④→⑤→③…を解答用紙が無くなるまで繰り返す

  • 親は、再び一番上に置かれた解答用紙のまる付けを進めます
  • さらに間違えたものは、また一番下に戻します
  • 解けない場合のヒントの与え方は、書き込んだり口頭で教えて分かればいいですが、複雑な問題は解答を見せてしまったほうが分かりやすいです
  • 答えを写すだけにならないように解き方を理解してから、なるべく自分で解きなおすようにしましょう
予習シリーズ トレーを使ったまる付けのサイクル

⑦トレーから解答用紙が完全になくなるとその日の学習が終了

  • トレーからだんだんと紙が減るので、親子で終わりが見えやすくやる気が続く
  • トレーの紙がなくなるとスッキリして達成感がある

このサイクルを続けるだけで自然と「その日にやるべき学習」が回るようになります。

中学受験の学習で必須となる「演習→まる付け→解きなおし」の習慣化を家庭で作れるのです。

必要な準備(プリント、トレー、クリアホルダー)

トレー学習を始めるために必要な道具はとてもシンプルです。

レタートレー

100円ショップや文房具店で購入できるA4サイズの書類トレーで十分です。

問題を印刷したプリント

お子さまが解く問題ををコピーした「プリント」。

このとき、解き直しがしやすいように1問ごとに区切った形式にすると便利です。

反復のためにプリント学習がおすすめ

クリアホルダー

さらに「クリアホルダー」を活用すると、時間がある日にスケジュールを立てて、1日分ずつのプリントを整理しやすくなります。

最低限この3つがあれば、すぐにでも始められるのがトレー学習の魅力です。

もれなく解きなおせる仕組み

まる付けをして、お子さまが一日分の学習を終えたら、できなかった問題については次の日の学習までに再度解答用紙を作っておきます。

次の日までにやらないと、次の日のできない問題と混ざってしまい、復習の順番が分からなくなるからです。

クリアーホルダーを使えば、もれなく解きなおしができ、できない問題をできる問題にするまで無理なく繰り返せます

①できなかった問題・間違えた問題のプリントを印刷する

コピーを貼るタイプを利用する場合は、問題の貼り付けもします。

面倒ですが、お子さまの成績を上げる材料なので、喜んで印刷しましょう。

印刷したら、復習問題用のクリアーホルダーの後ろに追加してください。

反復のためにプリント学習がおすすめ

②大問の中でも一部を間違えた場合は、できなかった問題のみを〇で囲む

合っていた問題は、次回やり直さなくていいです。間違えた問題のみを反復するためです。

③必要な答えを書き込んでおく

⑵を解くために⑴の答えが必要な問題については、⑴の答えを書き込んでおくと、効率よく⑵のみをやり直せます。

トレーがない場合の代用方法は?

レタートレーを置く場所がない場合、家庭にあるもので十分代用できます。

例えばクリアホルダーと残りが見える透明のボックスファイルでも問題ありません。

重要なのは、プリントを3か所に分けられることです。

  • 今日これからやるべき問題→お子さまが解く
  • お子さまが解いた問題→親がまる付け
  • やり直す問題→お子さまが解きなおす

復習する周期を自動化する

間違えた問題は、5回も6回も繰り返しをしないとできない問題がたくさん出てきます。

解答冊子に印をつけたり、付箋をはったりするだけでは、復習する順番が分からなくなってしまいパニックになるでしょう。

そこで、間違えた問題の解答用紙を印刷したら、クリアーホルダーに挟んでいくと復習の周期を簡単に管理できるようになります。

クリアーホルダーは、L字に綴じられていて、書類をはさむだけのペラッとしたものです。

①間違えた問題を印刷したら、クリアーホルダーに放り込むだけ

新しく印刷した問題は後ろに入れていきます

②問題は前から順番に取り出して、解きなおす

1日5問ずつなど、量を決めて消化していきましょう。

繰り返し間違えると、同じファイル内に全く同じ問題が入ることもありますが、迷わずに前から順番に復習をしていきます。

③種類のちがう問題集は、別のクリアーホルダーに分けて保管をする

学年が違ったり、予習シリーズテキストと演習問題集などのテキストが違うものは、必要があればクリアーホルダーを分けましょう。

④反復する周期を調整する

やり直す問題が少ないと、同じ問題が回ってくるタイミングが次の日になってしまうかもしれません。

短期的な記憶で解けてしまっても、長期記憶にして学力を定着させないと、テストで解けるようになりません。
そのため、日にちをあけて復習をしましょう。

算数以外の科目にも使える?

トレー学習は算数の演習問題に効果的ですが、他の科目にも十分応用できます。

国語では漢字の書き取りや語彙の問題、理科や社会では穴埋めの暗記問題にもぴったり。

特に暗記系の問題ではできなかった問題を繰り返すという仕組みが役に立つため、効果が実感しやすいでしょう。

算数中心に始めつつ、他の科目へ広げていくと総合的な学力アップにつながります。

問題の配合バランス

新しい範囲を優先的に進めたくなるかもしれませんが、学力を定着するには復習問題を消化するのが大事。

そのため、新しい範囲の問題とやり直し問題を6:4くらいにします。

4割くらいは、復習にも時間を使うと良いでしょう。

予習シリーズ 復習問題は毎日やる

新しい範囲の問題とやり直し問題を1:1にしても、復習が追い付かない場合は、取り組む範囲を絞ることを検討します。

練習問題には手を出さずに、基本問題のみにするなどです。


理解をしきれない範囲問題に手を出すよりも、少ない範囲でもしっかりと定着させ基礎を固めるほうがテストで解ける自信がつきます。

効率よく印刷する道具

中学受験の勉強では、過去問や問題集、解答用紙を繰り返し印刷する機会が非常に多くなります。

効率よく印刷する工夫をすることは、親の負担軽減と学習効果の両方に直結するので、プリンターやスキャナーを使いこなしてください。

1. A4サイズの複合機

A3サイズ対応で、両面スキャンができる複合機が人気ですが、A3の印刷が必要になるのは過去問練習の時期だけ。

しかも、10年分など大量に過去問を解けるのは難関校を目指すお子さまくらいで、

3年分とかならA3サイズはコンビニでコピーすればよし

プリンターは寿命が短いのに対して、スキャナーは大学受験まで長く使えるので、私は複合機とスキャナーは分けて使うことをおすすめしたいです。

私がおすすめする複合機の条件は

  • コンパクトで安価なA4サイズ対応
  • ADF付き(自動紙送り)
  • 自動両面印刷つき
  • コピー・スキャンができる
  • コストを抑えた4色インクジェット
  • 有線LAN&無線LAN対応
  • 純正インクが安価なブラザー製品

2. スキャナー専用機

複合機だけでもスキャンはできますが、ドキュメントスキャナーはスピードと性能が違います

大学受験まで大活躍するので、なるべく最新を購入しましょう。1台あると家庭学習の効率がUP!

家庭にある本や雑誌類もスキャンして保存でき、本棚がスッキリします。

ローラーなどの消耗品を交換して長く使用できるよ。

私がおすすめする複合機の条件は

  • 両面を高速読み取りドキュメントスキャナー
  • 基本はA4サイズだけど、キャリアシートなしでもA3がスキャン可能
  • タッチパネルでPCなくても操作可能
  • スキャンデータの管理・活用をアシストするソフトウェアがある
  • 消耗品を買いやすい

3.  コピー用紙

白色度92% 紙厚0.09mmで品質よいです。

まとめ:まず今日から始める一歩

中学受験の成績を伸ばすには、「できない問題を繰り返す仕組み」を作ることが最も大切です。

レタートレー学習なら、利点がたくさんあります。

  • 親が最小限の見守りで「学習の進捗」を見える化
  • お子さまは、1日の学習を迷わない
  • とき直しまで、残さずやり切れる
  • 達成感がある

まずは、1日分のプリントをトレーに置いて試してみてください。

やってみるだけで「一日の学習の流れ」が一気にスムーズになるはずです。

もし「苦手科目を専門的に克服したい」と感じるなら、中学受験専門の個別指導を利用するのも一つの方法です。

特におすすめなのが、難関校受験に強い講師陣が揃う 中学受験専門 受験Dr. 個別指導塾

  • 中学受験に精通したプロ講師が、一人ひとりに合わせた復習計画を提案
  • オンライン指導にも対応しており、家庭学習と組み合わせやすい
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